Sword World Canpene レクイエム
Scenario 02 「月の島
セッション日時2004年6月12日
プレイ時間約5時間




時は巡る

月は満ち そして欠ける

呪われし血 聖なる血
その呪縛薄れる時
黒き魂の欠片 主を求め
幽鬼が月の里覆い隠す




Scene. 0
始まらない物語

アーヴィーン「何か疲れた…」

 実は、第2回セッション開始前、「今回から参加の人もいることだし、キャラ紹介からしましょうか?」と言ったところ、繰り広げられた20分間の阿鼻叫喚。
 行われたのは単なるキャラクターによる自己紹介のはずなのだが、何故こう、全員が笑い疲れているのか?
 (答え:ラグとリグレットが居るから)
 
GM「というわけで、セッションを始めたいと思うのですが…」
リグレット「前回って何があったんだっけ?」
GM「はい?」
リグレット「やばい、何にも覚えていないぞ」
ラグ「おいー!」
ギルドラム「敵が襲ってきて、倒した」
エイミー「それ、最後だけ」
リグレット「ああ、そうだ。私の鎧が溶けたんだ」
アーヴィーン「ポイントはそこだけなのか?」
リグレット「あ、そうだ! 宝を村へ持って帰らなければいけないんだった!」
ギルドラム「何の話ですか?」
エイミー「もう村だよー」
GM「っていうか、町です。港町ドランブル」
リグレット「いや、そうじゃなくて。タダさんの故郷の村へ持って帰らなければいけないんじゃなかったっけ?」
ラグ「…オッサン、健忘症? アルツハイマー?」
アーヴィーン「前回の了解としては、宝は『守らなければならない』という結論だったはずだが」
リグレット「何か、溶けたの私の鎧じゃ無くって脳みそだったみたいだね」
GM「おい…」
リグレット「………話が見えるまでもう黙っていよう」
一同「オイオイ」

 この会話、実録でお送りしております。
 念のため、ストーリーを忘れてしまった方は、「失われた詩」をご参照下さい。



SCENE.1 
動き始めた闇

 夜中に宿屋で襲撃を受けた一行は、何とか謎の触手男を返り打ちました。
 しかし、結果タダさん瀕死。アーヴィーンがボロボロ。
 リグレットの鎧もお亡くなりになりました(それはまた別の話)

GM「…そんなわけで、皆さんの前には血まみれの死体が転がっています」
ラグ「ええ?!」
GM「モンスターの」
ラグ「良かったー、タダさんのかと思ったよ」
GM「…は?」
ラグ「タダさんの死体をみんなで見下ろして、『これからどうしよう…』っていう」
エイミー「それじゃ2時間ドラマだよー」

 繰り返しますが、ラグのプレイヤーは2時間ドラマの大ファンです。

GM「ちなみに、宿屋に返ってきた時点で、後18日後にこの島を出る船がある、ということになっていました」
アーヴィーン「そうか。あと、18日…」
ラグ「えーっと、ティコ、まだ寝てるよね? 子供って結構起きないものだし」
GM「(ころころ)うん、大丈夫。起きていないみたいです」
ギルドラム「(元気に)後かたづけしないと!」
ラグ「魔法使う連中は、正直そろそろ寝かせて欲しいんだけど…俺、精神力2点しかないしマジだるい」
アーヴィーン「寝る前に回復してくれ」
リグレット「はーい。(ころころ)詠唱成功(ころころ)11点回復〜」
アーヴィーン「全快した」
GM「タダさんはー? まだ転がったままだよー瀕死だよー」
リグレット「ええー? タダさんー?」
ラグ「ほっといても回復しない?」
GM「(ほっとくのかよ)あんまりしない。しばらく瀕死のまま」
リグレット「よいよい。私が唱えよう。もう一度振って(ころころ)詠唱成功(ころころ)」
GM「ほい、全快しました」
リグレット「というわけで、精神力が尽きた! 俺はもう寝る!」
GM「(目が覚めた頃にはその鎧ともお別れだね…)」
ラグ「今日はもう襲ってこないと見た。死体の処理とかは、体力系に任せる」
ギルドラム「体力系って、私とエイミーしか居ないじゃないですかー」
ラグ「(無視)あ、念のため、ティコの安全を確認しておくぞ」
GM「エイミーと同じ部屋だよね? うん、今のところ大丈夫。ちゃんと寝てるよ」
ラグ「よしよし」

子供には優しいんだよな、ラグ。

ラグ「あ! だけど当分タダさんには会わせられないな」
アーヴィーン「何故?」
ラグ「だってさ、そんな血みどろのぐちゃぐちゃの夏だったら3日で蛆が湧きそう!みたいな父親に会わせる訳にはいかないと思って」
ギルドラム「やめてくださいー!」
GM「………何のためにキュアかけたのさ?」
ラグ「あーそっかー。魔法って便利だなー(何故か悔しそう)」

………大人には残酷だな………ラグ。

アーヴィーン「熟睡したい人間が集まって寝ているというのはどうも不安なんだが」
リグレット「ちなみに、俺は事件のあった部屋で寝ているからね(笑)」

何だか、うやむやのウチに全員寝ることに。
寝ている部屋。

 リグレット、タダさん:二人とも事件のあった部屋で熟睡。
 アーヴィーン、ラグ、ギルドラム:もう一つの男部屋で熟睡。
 エイミー、ティコ:女部屋で熟睡。

確かにその夜、それ以降の襲撃はありませんでした。

GM「では、無事全員生きて、夜が明けました。色々あって、皆さんが寝たのが午前3時くらい。現在、その6時間後の午前9時頃です」
リグレット「(目を覚まして)何じゃこりゃー! お前等、死体も片づけとらんのかー!」
ギルドラム「だって眠かったしー」
リグレット「お前は精神力回復する必要ないだろう!」
ラグ「………あー…何か、今、物凄い声が…(すっごい血圧低そうな声)」
一同(笑)
アーヴィーン「二日酔いか? ラグ」
エイミー「おはよー」
ギルドラム「おはようございます、爽やかな朝ですね」
GM「(爽やかか?)」
アーヴィーン「そろそろ臭いそう…」
GM「うん、そろそろね」
ラグ「あー…飯もくわねーウチから、こんなもん見なきゃいけないのかよー(といいながら、死体の覆面をぺらり)
 何かおかしなことある?」
GM「2体とも、同じ顔をしています」
ラグ「あー…人間なんだ。どんな顔?」
GM「皆さん、見覚えがありますね。有り体に言って、前回の衛兵と同じ顔です。二人とも」
ラグ「えーっと、何だっけ。クトゥルー…じゃなくて、ルクトか」
リグレット「いや、寧ろ今こだわるべきなのは、名前じゃなくて二人の顔が同じであるということじゃないのか?」
ラグ「死体の横で寝てたヤツが言うなよ!」
アーヴィーン「いや、正しい指摘なんじゃないか?」
ラグ「でも死体の横で寝てたんだぜ?!」
アーヴィーン「(無視)とりあえず、シングの知名度判定はしたんだよな? もう」
GM「出会った時にしました」
リグレット「───────ということは…あの衛兵はシングか?」
アーヴィーン「いや、それはどうだろう。分からない。傍にいる人間の振りをしているだけかも知れないし」
ラグ「ますますあの領主は怪しいな」
アーヴィーン「それだけは確かだ」
ラグ「じゃあ、俺のカラスに、俺を中心にして、半径1キロの範囲をグルグル回らせておく」
GM「はい」
ラグ「常に、常に、常に! おれがいいって言うまで、ずっと回らせておく」
GM「…可哀想に…」
アーヴィーン「それは可哀想だよ」
ラグ「俺のカラスだ。文句あるか」

…いま、同じことをやられたらカラスの生命力抵抗をさせるでしょう(笑)
当時はまだまだ未熟でしたわ。今でも未熟だけどさ。

ラグ「というわけで、カラスの目で見てみるけど、何も異変はない?」
GM「別にない」
ラグ「触手が伸びてるとか」
リグレット「えー村人が知らない間に全員シングに?! この島捨てて逃げようぜー」

と、まぁそんな話をしながら、階下の食堂へ降りる一同。
結局死体や部屋はほったらかしでした、ちなみに。



SCENE. 2 
月の島の神官戦士

ラグ「オヤジー飯出してくれー!」
GM「モーニングセットをオヤジさんが出してくれます。『大丈夫かい? 夕べは随分騒がしかったようだが…』」
ラグ「…だるい…」(ものすごーーーーくだるそうに)
新キャラ「それはプレイヤーの台詞じゃないのかー!?」
ラグ「違います。これはとても真に迫っていますが、演技です。迫真の演技」
アーヴィーン「…安心しろ、お前だけじゃない。もう触手はこりごりだ」
新キャラ「と言って、皆さんがもそもそ飯を食ってるところに、ガチャ、キーと宿の扉が開いて、人が入ってくるわけですね」
GM「肌の浅黒い女の子が」
少女「こんなんです(と、イラストを見せる)」
一同「おおー」
リグレット「何かジャングルっぽい」
ラグ「じゃあ、俺たちはその時、飯の奪い合い状態。『ギャーそれ取るなー!』とか、『それ俺のー!!』とか」

コレが彼らの『もそもそ飯を食ってる』風景(笑)

ラグ「朝っぱらから、カリオストロの城状態(笑)」
アーヴィーン「ラグ、だるいとか言ってたのは何処へ行ったんだ?」
少女「んじゃ、まー『やかましい客がいるなー』とか思いつつ、店の奥のカウンターへ『ご主人』」
GM(店のオヤジ)「なんだね?」
少女「こちらの宿に、本島からやってきた冒険者が来ていると聞いたのだが」
ラグ「(割り込んで)ああ、居ないらしいよ」
エイミー「早っ!」
GM(店のオヤジ)「ああ、こいつは気にしないでくれ。というか、こいつらだ(と、阿鼻叫喚の様を指さす)」
少女「で、そちらの方を見ると、阿鼻叫喚の地獄が見えて…」
リグレット「そうそう。オムレツとか飛んでくるからね。ばちゃぴしゃって(飛んできたオムレツがパネラにぶつかったらしい)」
ラグ「それ見て大笑いしてるよ。指さして」(極悪)
アーヴィーン「…自分の食事を持って隣のテーブルに移ります」
パネラ「仲悪ーーー!!!(笑)」

一同爆笑。

GM「…いや、仲良いのかもよ? コレ」
少女「じゃあ、思いっきり不安な顔をして。『嘘だろ…?』」
GM(店のオヤジ)「いや、ああ見えて実はなかなか腕利きらしい。何せ、領主からお声がかかったくらいだからな」
少女「…領主から?」
GM(店のオヤジ)「ああ。紹介状を持っているのを見たからな」
少女「……………観察します」
ラグ「(食事中)おいー! コップの中に飯が入ったじゃねーか!!!」
リグレット「(食事中)いいじゃないか、食べやすくなって」
ラグ「(食事中)ふざけんな貴様ー!!」

一同、しばらく笑いが止まりません。

GM「…と言うようなことをやってますが、どうします? 止めておきますか?」
少女「いや、こちらとしても火急を要することなので…(泣)
 …人を第一印象で測ってはいけない。うん。…うん」
ラグ「と、言い聞かせている人がいる(笑)」
GM(店のオヤジ)「おい、あんたたち。こちらのお客さんがアンタらに用事があるそうだ」
リグレット「うん? 何かな? オムレツならやらんぞ」
ラグ「だ、そうだ」
少女「結構です。…えー…初めまして。
 私の名はカンパネラ。カンパネラ・ラングレヌスという。必要が有れば、パネラと呼んでくれ。
 あなた方を高名な冒険者と見込んで、一つ、仕事を頼みたいのだが、よいだろうか」
ギルドラム「仕事って何ですかー?」
パネラ「私は、この島のフェネス神殿で神官を務めているのだが、その神殿周辺の集落で、人が死んでいるのだ」
アーヴィーン「ああ、それはこの前ちらっと聞いたような…」
エイミー「出掛ける前に、そんなこと言ってたね。宿のおじさんが」
パネラ「情けない話、何故人が死んでいるのか私にも、神殿の者にも見当が付かないのだ。この事件、私や神殿の者の力では如何ともしがたい。というわけで、どうだ、受けて頂けないだろうか? …と言って、懐から銀貨の袋を…」
ラグ「待った。死体の状況は?」
リグレット「石化して死んでるとか言ったら、即逃げるんですけど」
パネラ「詳しくは、GMから説明して下さい」


 実は、パネラのプレイヤーは途中参加と言うこともあり、GMから一部設定を渡しています(俗にいうハンドアウト)
 パネラのプレイヤーは主にFEARゲーマーなので、「SWでハンドアウトを貰うとは!」と言って面白がっていたが…


GM「では、まず神殿の集落の名前は『ピエタ』と言います」
リグレット「ぶー!」
アーヴィーン「それって…」
ギルドラム「何か、今物凄く荘厳なイメージが浮かびました!」
ラグ「死んだ…死んだな、色んな人が…」
アーヴィーン「もう滅びそうな名前だな」

 ピエタとは憐憫や敬虔の意味を持つラテン語から発生したイタリア語です。
 キリストとその死を嘆く聖母マリアの姿を指し、ゴシック期以降は彫刻の他、絵画などを含むそのモチーフを用いた図像の総称として、この名称(ピエタ)が使用されるようになりました。
 …とのことです。豆知識。

GM「というわけで、ピエタという名前の村で、次々に人が殺されているのですが…」
リグレット「殺され…!?」
ラグ「あー…疫病とかじゃないんだ」
GM「うん。疫病とかいってたのはラグだけ。そして、殺されているのはパネラの親戚の人たちですね」
パネラ「もちろん、そういうことも話します」


 パネラの話によると、彼女の神殿のある集落「ピエタ」では、1週間ほど前から突然、人が殺され始めました。
 しかも、その多くが「目の前で突然刺殺される」「鍵のかかった部屋の中で絞め殺される」などの不可能犯罪。
 目の前で人が殺されているにもかかわらず、その犯人を目撃した人が、誰も居ない…とのこと。
 犯人に心当たりもなく、また原因もまったく不明。
 パネラは一族の命により、領主に助けを請おうと領主の執務用の館のあるドランブルへとやってきたのですが、領主は既に館におらず、町の人に「冒険者が来ている」と聞き、この宿屋にやってきました。


ラグ「あははははははは」(何故か大笑い)
ギルドラム「過激だなあ…」
リグレット「過激だなー」
ラグ「じゃあ、そーゆうモンスターに心当たりがないか、知名度判定をしてみます」
GM「はい、どーぞ。現段階では目標値15ね」
ラグ「(ころころ)…8だって(笑) 修正4有るのにー」
リグレット「プリースト+知力ボーナス」
GM「無理」
リグレット「っていうかギルドラムお前、セージ技能持ってんじゃん。振れよ!」
ギルドラム「えーでもーレベル1だしー」
パネラ「GM。私も判定してみていいですが?」
ラグ「ええ?! でも、パネラがここでわかっちゃったら俺たち役立たずじゃん!」
リグレット「来る途中にバスの中でわかっちゃったんだー、とか」
パネラ「バスって何だよ! …(ころころ)大丈夫、分からない。私には分からないのだが、そういうことが人間に出来る魔法などはあるのだろうか」
アーヴィーン「自分のクラスならわかってしまってもいいんだよね? あるよ」
GM「アーヴィーンとラグもいるし、問題ないでしょう」
ラグ「何人ぐらい殺されてんの?」
パネラ「どうなんですか?」
ラグ「一日100人」
GM「そんなにおらんわ」
リグレット「ていうか、そんなに殺されてたら、今頃村がないですよね」
ラグ「一族郎党皆殺し〜」

いや、その通りなんだけどね。

GM「村全体が100人くらいの集落で、15人くらい殺されています」
エイミー「一日二人づつかー大体」
ラグ「タダさん達が村を出たのはいつ頃だったっけ?」
GM「それも1週間くらい前。マイラが殺されたのも大体同じ頃でした」
ラグ「え、誰?」
GM「タダさんの奥さん。ティコのお母さん」
ラグ「あー…ああ、いたね、そういえば。声が出ない人だ」
パネラ「…とまあ、これこれこういうことになっているのだが…と説明して、テーブルの上に銀貨の入った袋をじゃらりとおく」
ラグ「銀貨ぁ〜?(不満げ)」
GM「ん?」
ラグ「いや、何もないよ? 何もないよ〜」
パネラ「とまぁ、袋を置いたその指に指輪が見えたりするのだが」
ラグ「え、それって左手の薬指? 『む、婚約者か』」
パネラ「違います。右手の中指」
ラグ「なーんだ」(残念そう)
アーヴィーン「どんな指輪だ?」
ラグ「え? 10カラットダイヤモンド」
リグレット「スイートテンダイヤモンド」
パネラ「何でだよ! まだ15だよ!(笑)
 えーと、わりかし質素な月長石の指輪です」
アーヴィーン「ムーンストーン…」
パネラ「まぁそれはともかく。『7500ガメル有る。これで引き受けて頂けないだろうか』」
ラグ「え? で、結局俺たちに何を望んでんの? この事件の完全解決?」
リグレット「それとも自分だけか? 自分の命さえ助かればどうでもいいのか、お前はぁ!」(何故か切れる)
ラグ「…えー、被害妄想だけど気にしないように」
パネラ「何故見ず知らずの人間にそんなこと言われなきゃいけないんだ?(怒)」
リグレット「知ってるよ、知ってるよ、お前は前からそういうヤツだった」
エイミー「…何を知ってるって言うんだろう…」
アーヴィーン「お前も前からそういうヤツだったよな(リグレットを指さして)」
リグレット「うん!」
ラグ「何でそこで満面の笑顔なんだよ!(笑)」
パネラ「私及び、神殿の関係者が望んでいるのは、この事件の解決だ」
ラグ「あ、GM。質問なんだが、その神殿までどのくらいかかるんだ?」
GM「馬車で丸一日くらいです。途中、野宿挟んで」
ラグ「ほぅ?」
リグレット「まぁでも受けるとすれば、出航までには余裕で間に合うから。万一間に合わなかったら、17日目でギブアップですな」
GM「そんな話をしてみますか?」
リグレット「いや、でも他の依頼を受けていると言えば受けているのだが…タダさんはどうなんだ?」
ラグ「…まだ寝てんじゃない?」
リグレット「まだ寝てるのかー!」
アーヴィーン「とりあえず、パネラに『こちらには時間的な制約があるので…』と言っておく」
ラグ「まあ、今は寝かせておこう。だってさ、そうしないと『私たちを見捨てる気ですか!?』とか顔面蒼白になって絶対言うぜ、あのオヤジ」
GM「いや、起きてるよ。ここにいる。そして言うよ、『私たちを見捨てる気ですか!?』(笑)」

一同(笑)

ラグ「見捨てないよ、なーティコー!(頭をぐしゃぐしゃ)
 よし、分かった。前金で3000。成功報酬で5500。そして、後金で2000だ」
リグレット「すいません、あときんって何ですか?(笑)」
ラグ「ありがとう報酬」
エイミー「成功報酬とは違うの?」
ギルドラム「ありがとう基金」
ラグ「そうそうそうそう」
パネラ「お前は耳が悪いのか? 私は7500と言ったんだ」
リグレット「っていうかさー、俺、あんまり外に出たくないんだよねーこんな恥ずかしい地味な格好で」
GM「…あ、あーパネラは、その台詞を聴いたときふと、神殿の倉庫の奥深くに、必要筋力20の、錆びたプレートメイルが有ることを思い出しました」
リグレット「(突然)タダさんタダさん」
GM(タダ)「何ですか?」
リグレット「タダさんは一緒に行きます?」
GM(タダ)「え? あの…?」
リグレット「場所を移った方が、敵にも狙われにくいかも知れない(思慮深げに)」

一同(笑)

リグレット「18日間もここにいるよりは、場所を移った方が良いに違いないと思いますよ」
GM(タダ)「…あ、あのう…別にもっとはっきり言って下さっても構いませんが…」
ラグ「え? 死ねってことか?」(さらりと)
GM(タダ)「それは困ります! 私もまだ死にたくありません!」(笑)
リグレット「つまりぃ、『この依頼を受けるので、馬車を呼んできて下さい』」
アーヴィーン「つまりって何だよ、つまりって!」
GM「…じゃあ、ティコに例のてるてる坊主を預けて、タダさんは馬車を呼びに行きました」
ラグ「ああ、あの首が折れてるヤツね(笑)」
GM「ティコはあまりの重さに落としそうですが」
ラグ「じゃあ、ティコから預かります」
GM「ティコは、あなたにてるてる坊主を取られて、とても警戒しています」
ラグ「『何だティコ、やるか〜?』と、戦闘態勢」
GM(ティコ)「(ぽかぽかラグを殴る)」
パネラ「で、実際問題受けて頂けるのだろうか?」
アーヴィーン「問題ないんじゃないか?」
ギルドラム「異議なしー」
エイミー「右に同じ!」
リグレット「では、その神殿の集落とやらに行くとしようか。プレートメイル拾いに!」
一同「それは違うだろう」


 そんなこんなで、一同、パネラの依頼を受けて神殿に向かうことになりました。
 ………結局宿の後かたづけはしないままで………


続く。


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